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日光市 地域振興課

  

三依地区 生活支援×釣り

日本初の「テンカラ※ 専用区」の開設をはじめ、釣りによる地域活性化が話題の三依地区。

ミッションの「地域の生活支援及び情報発信」をこなし、釣りを軸とした活動も注目される田邊隊員にお話を伺いました(令和4年6月聞き取り)。

※テンカラ:日本の伝統的な釣り。毛針と呼ばれる、針に毛をつけて虫などに見せかけたものを餌として使う

田邊です。たまにサーモンマンになります。

「釣り」は趣味のつもりで、協力隊に

地域おこし協力隊を知ったきっかけは、趣味の釣りです。

 

10年ほど前は、自宅のある埼玉県から都内の職場へ通っていました。

職場仲間と体験したテンカラ釣りで釣りにハマり、入会した釣り関係のNPO(NPO法人バーブレスフック普及協会 )の活動で、協力隊員と知り合います。

 

当時は仕事を変えようかと考えていた時期で、隊員の話を聞くうちに制度に興味がわきました。

「この制度を活用した仕事に挑戦するのもよいかもしれない」と考えはじめます。

 

ある日、家族旅行で日光(栗山地域)を訪れた際、「いい川があるな」と感じました。

本流や支流、釣り場が豊富で何回行っても楽しめそうだし、混雑もなく魅力的に思えたのです。

釣り仲間を誘って日光へ行く機会が次第に増え、実際によい釣りができ、わたしのメインの釣り場も日光へ移っていきました。

 

このような経緯から日光市協力隊の採用情報を調べ、ご縁があって三依地区の協力隊員として、活動がスタートしました。

別地域の協力隊も選択肢にありましたが、最終的には埼玉の家から電車や車でのアクセスがよかったことと、釣りを通して土地になじんでいたのが決め手です。

 

趣味だった釣りで仕事をするなんて、このときは考えもしませんでした。

 

よい経験になった半年間の苦労

わたしは三依地区 協力隊の4期生です。

着任当初、隊員はわたし1人。

担当職員の異動なども重なり、どうすればよいか戸惑うことも多かったです。

単身赴任だったので、家族と会えないさみしさもありました。

 

活動ミッションの1つは「住民の生活支援」。

地元や市役所の方々に助言いただきながら、地域に溶け込もうと、さまざまな場所に顔を出しました。

巡回相談(健康相談やレクレーションを通じた住民との交流) は地元住民の方とのはじめての接点だったので、思い入れがあります。

 

早いタイミングで消防団や漁協(おじか・きぬ漁業協同組合)に参加できたのもよかったです。

市内 協力隊の生活支援業務からも学ぶことが多く、活動の幅が徐々に広がりました。

 

今思えば、最初の苦労もよい経験になったと感じています。

 

地元が主体。日本初の「テンカラ専用区」オープン

わたしが関わる活動の中でとくに反響をいただいたのが、日本初の「テンカラ専用区」の開設です。

地元の新聞や業界の専門誌をはじめ、多くのメディアに取り上げられました。

 

きっかけは、NPOの活動などでお世話になっていたテンカラ釣りの師匠、テンカラ大王こと石垣尚男先生の存在が大きいです。

2019年に三依を訪れた石垣先生のもとに、漁協や地元関係者が集まったときから計画がはじまります。

 

当時は、台風第19号による水害からの復活プロジェクトも動いている最中。

テンカラの普及に努める石垣先生の助言のもと、地域活性化にむけ「テンカラ専用区」の構想について話し合いを重ねるようになりました。

 

何もないところに急に作ってもムリがあります。 

三依やテンカラ釣りへの理解やファンを増やすため、一般参加者向けの釣りイベントなどを実施、その後も続けました。

2021年の3月、「テンカラ専用区」がようやくオープンします。

 

それから1年以上たち、おかげさまで釣り客にも好評です。

釣り券の販売は前年比の約1.4倍に増え、周辺の飲食店や宿泊施設にもよい影響が出ていると伺っています。

 

テンカラ専用区は、できたあとも維持がたいへんです。

まだまだ課題もあるけれど、住民が主体となって苦労しながらも実現できたのは強みです。

 

他にも釣りに関する活動として、水産分野で日本最大の研究・教育機関「国立研究開発法人 水産研究・教育機構」や地元の小中学校との連携、「テンカラ丼」「鹿毛を使用した毛針」などの商品開発にも関わっています。

 

住民の生活支援からスタートした活動が、今では釣りによる地域おこしにも広がりました。

 

三依での活動を続け、新たなチャレンジへ

三依地区は自然が豊かで、透明度の高い川もあってゆったりできるのが好きです。

東京から電車1本で行けるアクセスのよさも魅力に感じています。

 

卒業後も、三依に関わっていきたいです。

ありがたいことに「ずっと三依にいてくれるんでしょ」とか「うちで仕事しなよ」などの声をかけていただくこともあります。

現在も埼玉県で生活している家族と相談しながら、2拠点生活なども視野に入れ、新しい生活のスタイルを考えていきたいです。

 

これからも新しいことに挑戦します。

最初、三依のことを「みい」と読み間違えました。

田邊隊員 関連  メディア・イベント一例

掲載日(発行日) メディア名/記事内容
2022/06/21 下野新聞/活性化へ地元食材利用「テンカラ丼」を開発(三依渓流つり場・竹嶋隊員と企画)
2022/01/23 第4回 にっこうニコニコオンライン公民館/「サーモンマンと学ぶ!日光市のサケ科魚類たち(YouTube)」
2021/12/30 下野新聞/協力隊発案「塩引きニジマス」開発活動紹介
2021/08/12 下野新聞/三依テンカラ専用区紹介
2021/08/09 下野新聞/三依小中学校のさかな授業
2021/08/01 つり人社「渓流夏号」/三依テンカラ専用区でのテンカラ入門記事
2021/06/15 下野新聞/清滝小学校の毛ばり巻き授業
2021/05/25 月刊つり人7月号/三依テンカラ専用区紹介
2021/03/25 スポーツニッポン/三依テンカラ専用区イワナ25㎝
2021/03/25 藤原地区社協広報誌ふじの和/サスティナブルな釣り場づくり
2020/10/02 下野新聞/三依産鹿毛の紹介
2020/08/25 スポーツニッポン/テンカラ天然イワナ涼
2020/06/29 スポーツニッポン/鹿毛セミフライで50㎝レインボー
2020/05/26 スポーツニッポン/鹿毛フライで未来を守る
2019/08/27 スポーツニッポン/川治C&Rと男鹿川のイワナ釣り
2019/06/28 スポーツニッポン/三依渓流つり場でのテンカラ指導