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日光市 地域振興課

  

足尾地域 在来野菜の栽培、継承事業

特定の地域や場所で古くから作り継がれてきた在来野菜。

日光市内にもいくつかの種類が存在しますが、作り手不足などの理由で今後絶滅が心配されるものもあります。

在来野菜「唐風呂(からふろ)大根」・「舟石(ふないし)芋」などの栽培、継承活動に取り組んでいる 足尾 地域おこし協力隊 長澤隊員にお話を伺いました。(令和2年7月聞き取り)

足尾協力隊の長澤です。協力隊になったきっかけも含めてお話します。

人の縁に引き込まれてスタートした、あこがれの田舎暮らし

地域おこし協力隊を知ったのは、隊員になる約2年半前に栃木県へ旅行したことがきっかけです。

旅先で偶然知り合った県内出身の方と意気投合し、さまざまなことを教えていただく中で、地域おこし協力隊制度を知りました。

以前より田舎暮らしをしてみたいと思っていたことから制度に興味を持ち、その後に東京で開催された移住相談会に参加します。

日光の自然豊かなイメージにも惹かれ、協力隊としての移住を決意。

日光は日光東照宮などが有名ですが、わたしは中心地ではないところで、まだ発掘されていない魅力を自分で見つけたいと考えていました。

マイナスからチャレンジした在来野菜づくり

協力隊の主な活動の1つである在来野菜づくりは、地元の方から「唐風呂大根を守ってほしい」と話を受けたことからはじまります。

 

知識も経験もないわたしが、農業で地域を活性化するのは難しいと思いつつも、地元の方の「どうにかしたい」という言葉が心に残っていました。

その後はじめて唐風呂大根を食べたとき、甘みのある大根しか食べたことがなかったわたしは、その辛さと深みのある風味に衝撃を受けます。

あらためて「わたしが足尾にきた意味はなんだろう」と考えました。

 

足尾といえば足尾銅山で、鉱毒のイメージを持つ方もいるでしょう。

でもわたしには、足尾の美しい自然や風景、野生動物の印象のほうが強かったのです。

地域オリジナルのものを活かして、足尾の新しい魅力を知ってほしいと感じていました。

 

昔から作り継がれてきた唐風呂大根こそ、足尾ならではのものではないか

 

協力隊の活動2年目から本格的に在来野菜づくりの活動に取りかかります。

はじめはまわりの方たちに心配されることも多かったです。

足尾で野菜づくりといえば家庭菜園がほとんどで、農業のイメージはなかったからです。

 

栽培に関する資料もほとんど残されてなく、また整備された畑もありません。

状況としてはゼロというよりマイナスばかりで、不安のほうが大きかったです。

 

でもやらなきゃなにも変わらない。

 

地域の方の"残したい思い"と、わたしの"挑戦したい思い"によって、覚悟を決めました。

クマのお姉さんから大根のお姉さんに

在来野菜の栽培をはじめて、2シーズンが経過。

野菜の栽培は年に1度しかできないため、今年で3回目のチャレンジです。

 

唐風呂大根は2018年には約200本、2019年には約350本収穫でき、体験イベントや販売も行うようになりました。

 

まだ試行錯誤ばかりで、農具の使い方も、どういうやり方が最適なのかも、完全に理解しているわけではありません。

町のためになっているのか不安に思うこともありますが、テレビや新聞などの取材をはじめ、活動を通して少しずつ変化も感じています。

 

今では、唐風呂大根は市内の宿泊施設で扱っていただけるようになりました。

農業高校の教科書への掲載の話もいただいています。

 

直接交流がなかった地元の中学生が、足尾の名物として唐風呂大根を選んでくれるようにもなりました。

とくにうれしかったのが、東京 国立科学博物館で開催予定だった『特別展「和食」』における唐風呂大根レプリカの出展です。(新型コロナウイルスの影響で2020年は中止。延期予定)

東京で行われたイベント「文化・民俗・風土からみた日本の地だいこん」で唐風呂大根の展示をし、そこで知り合った方の紹介でつながったご縁がきっかけでした。

 

 

地域の方に声をかけていただく機会も増えています。

あるときふと呼び止められて「町のためにありがとう」と言われたときは、涙がでそうになりました。

活動1年目より足尾の野生動物「ツキノワグマの写真展」を企画し「クマのお姉さん」と呼ばれるようになりました。

でも今は「大根のお姉さん」のイメージのほうが定着しつつあります

卒業後も在来野菜や足尾に関わりたい

今は新型コロナウイルスの影響で、予定していた活動ができない状況です。

そのなかでも唐風呂大根・舟石芋の栽培を行うほか、市内の在来野菜の情報をまとめています

 

在来野菜はたとえ絶滅してしまったとしても、その土地を生きた文化財。

日光で先人から種が引き継がれ、守り続けてきた野菜があったことを残すことが大切と考えます。

栽培されている方にとっても"特別な野菜"であることを伝えていくのが必要ではないでしょうか。

 

今までの活動を振り返ると、自分の活動よりも、協力してくださった方の顔が思い浮かびます。

どういう結果になるかわからないわたしの活動を、いつも応援していただけるのは本当にありがたいことです

 

隊員としての任期はあと約1年半。

今後の進路も悩むところですが、唐風呂大根や舟石芋の栽培・継承活動、そして足尾には関わっていきたいと思っています。

長靴が似合うようになったね!って言われます。

在来野菜・長澤隊員  メディア・イベント一例

新聞

メディア 対象
2018年10月30日 下野新聞/「絶滅寸前 在来野菜後世に」 生きた文化財 栽培拡大 唐風呂大根、長澤隊員
2018年11月3日 毎日新聞/「足尾の在来野菜後世に」 唐風呂大根、長澤隊員
2018年11月7日 下野新聞/読者登壇 「足尾の在来野菜生産継続を望む」 唐風呂大根
2018年11月21日 下野新聞/「ほっとタウン 日光」 唐風呂大根、長澤隊員
2018年11月21日 朝日新聞/「なくさない 足尾の野菜」
唐風呂大根 舟石芋 協力隊 長沢さん初収穫
唐風呂大根、長澤隊員
2019年7月4日 毎日新聞/ 「唐風呂大根 担い手継承へ」 日光で27日種まきの農業体験 唐風呂大根、長澤隊員
2019年11月18日 毎日新聞/ 会いたい 聞かせて 「唐風呂大根 足尾の宝に」 唐風呂大根、長澤隊員
2019年11月24日 朝日新聞 /「唐風呂大根 大きいね」 日光 足尾地区で農業体験 唐風呂大根、長澤隊員
2019年11月25日 毎日新聞/ 「足尾の在来野菜 唐風呂大根収穫」 唐風呂大根、長澤隊員
2020年1月28日 下野新聞「日光の地域おこし協力隊 市長に成果と抱負語る」 唐風呂大根、長澤隊員
2020年3月23日 朝日新聞/この人 このテーマ
「驚きの味を守る指導役に」
唐風呂大根、長澤隊員

テレビ

メディア 対象
2020年1月28日 日本テレビ「火曜サプライズ」出演 唐風呂大根、長澤隊員

イベント

出展 対象
2018年7月13日 「実は世界遺産級!? 日光に眠る在来野菜を知ろう!」「しばらく、図工室」と長澤隊員共同企画 唐風呂大根
2018年12月1日 東京 伝統野菜プロジェクト主催
「文化・民俗・風土からみた日本の地だいこん」イベント
唐風呂大根実物出展
唐風呂大根
延期予定 国立科学博物館 特別展「和食」唐風呂大根展示(2020年は中止) 唐風呂大根

※その他 栃木県庁や市内イベントなどで展示(足尾の野生動物と在来野菜)。「アースデイ日光」、「全日本しもつかれコンテスト」、「日光てしごと市」、「オータムフェア(足尾)」などに出店・出場

冊子、教科書

メディア 対象
2019年8月26日 冊子「地だいこんの遺伝資源としての価値と全国の地だいこん」 発行 東北大学 農学部非常勤講師 佐々木寿氏 著 唐風呂大根
2021年予定 農業高校の教科書「農業と環境」(実況出版)に掲載予定。
(農業高校一年次の全員必修科目として使用)
唐風呂大根